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美味しい「かにしゃぶ」は、蟹料理のお店でしか食べられないイメージがあるかもしれませんが、自宅で美味しく作ることもできます。
日本料理のプロ職人が蟹の旨味を最大限に引き出す出汁や特製タレの作り方、かにしゃぶに合う蟹や野菜、鶏肉など具材など、美味しいかにしゃぶのレシピを紹介します。
かにしゃぶに合う蟹は?
かにしゃぶは、蟹そのものの旨味が重要です。
そのため、蟹の種類により、味わいが大きく異なります。
本ズワイガニ
かにしゃぶに最適です。
身が柔らかく、出汁との相性も抜群で、初心者からプロまで幅広く支持されています。
タラバガニ
本ズワイガニに比べると風味がやや控えめですが、濃厚なタレと合わせることでかにの旨味を引き立てられます。
紅ズワイガニ
本ズワイガニに比べると水分量が多く、淡白な味わいですが、価格が手頃な点で魅力です。
かにシャブに合わない蟹
毛ガニ
旨味は強いものの、繊細な身が鍋料理には適していません。
蒸しや焼きで食べる方がその良さを楽しめます。
花咲ガニ
独特の風味があるため、他の具材や出汁との相性が難しいことがあります。
かにしゃぶに合うのは「活」「生」「ボイル」「冷凍」どれ?
かにしゃぶとして食べられるのは、安全面からも生食可能な蟹に限定です。
活蟹
最も新鮮で、旨味も豊富。特別な機会には最適です。
ただし、調理に手間がかかります。活きた蟹のさばき方がわからない方には難しいでしょう。
活きた蟹のさばき方がわからないけど、かにしゃぶに活蟹を使いたい方は、活蟹を購入した魚屋さんやスーパーでさばいてもらってください。
YouTubeには、活蟹のさばき方の解説動画もありますので、自信のある方は参考にするのもいいでしょう。
生蟹
活蟹に次いで鮮度が高いですが、適切に処理されており、活蟹が死んだ直後の鮮度の良い蟹を急速冷凍したものに限定です。
生急速冷凍蟹
蟹の正しい解凍方法を守れば、風味を損なわずに美味しく楽しめます。
コストパフォーマンスが高く、かにしゃぶ以外でも使いやすいのが特徴です。
冷凍された蟹の解凍方法
冷凍された蟹を解凍するポイントは、ドリップ(旨味成分の流出)を抑えることです。
- 冷蔵庫でじっくり解凍
- 解凍後はすぐ調理
蟹をラップで包み、ボウルに入れて冷蔵庫で1日半以上置きます。急がず解凍することでドリップが出にくくなります。
急ぎの場合は氷水に浸けて解凍。水温が低いため、ドリップを最小限に抑えることができます。
解凍後は水分を軽く拭き取り、風味を損なわないうちにすぐ調理しましょう。
注:生冷凍蟹を解凍する場合、常温やお湯で解凍は、ドリップ(旨味の流出)が発生しやすいため避けましょう。
また常温での解凍、特に夏場など気温が高い季節には、短時間で解凍が進んでしまい、カニの品質低下が加速するだけでなく、長時間にわたる常温での放置により食中毒菌が増殖する可能性もありますので要注意です。
ボイル済み蟹
ボイルした蟹は、かにしゃぶに使えますが、おすすめはしません。
かにしゃぶでは、活蟹や生急速冷凍蟹を湯にくぐらせることで、濃厚な甘味や旨味が引き立ちます。
しかし、蟹は一度加熱されると、身の中に含まれるアミノ酸やミネラルなどの旨味成分が茹で汁や蒸気に溶け出してしまいます。
そのため、しゃぶしゃぶで再び湯に通すと、さらに蟹の旨味が外に流れ出し、蟹の風味が薄れてしまい、しゃぶしゃぶで食べる際には物足りなさを感じることが多くなるからです。
さらに、加熱済みの蟹は身が固くなっていることがあり、しゃぶしゃぶにするとさらに固くなり、かにしゃぶ特有のふんわりとした食感が失われやすい傾向があります。
そのためボイル冷凍カニをしゃぶしゃぶする時は、温める程度にサッと火を通すだけです。
ただし、蟹料理初心者や蟹料理経験の少ない方には、生冷凍蟹よりはボイル済み冷凍蟹の方が安全で簡単に料理できるのでおススメです。
かにしゃぶに最適な選択は「活蟹」ですが、調理ができない方には、「生」または「生急速冷凍」蟹がおすすめです。特に生急速冷凍蟹は手に入りやすく、家庭向きです。
かにしゃぶに合う蟹の部位
かにしゃぶに最適な蟹の部位は、脚と爪です。
脚と爪は身がたっぷり詰まっており、かにしゃぶは、蟹を出汁につけて食べるものなので、脚と爪は、剝かなくても出汁につけるだけで簡単に食べられます。
かにしゃぶの出汁の作り方
かにしゃぶに最もおすすめの出汁は昆布出汁です。
【昆布出汁の作り方】
材料:水1リットル、昆布(北海道の利尻昆布や羅臼昆布)10g
作り方:昆布を水に30分~1時間浸し、その後中火でゆっくり温めます。沸騰直前で昆布を取り出してください。
料理のプロである職人さんの間では「かにしゃぶは出汁にこだわらなくてもいい。水で十分」「出汁にこだわるのは素人」という意見もあるくらい、かにしゃぶの出汁については色んな意見があります。ですから、かにしゃぶを美味しくするために、必ずしも出汁にこだわる必要はないかもしれません。
しかし、昆布には、旨味成分であるグルタミン酸やイノシン酸などが豊富に含まれているため、蟹の旨味成分であるグルタミン酸と昆布の旨味成分が相乗効果を生み、より深み、コクのある味わいを引き出すこともできます。そのため、昆布出汁を使っているカニ専門飲食店も多くあります。
なお、昆布は産地によって風味や食感が異なり、使用する蟹の種類や個人の好みにもよりますが、かにしゃぶ用の出汁のもととしては個人的には、旨味のバランスや上品な風味から、利尻昆布や羅臼昆布がおすすめです。
あっさりした味わいを求めるなら三陸昆布、鳴海昆布、津軽海峡昆布などの青森産や鳴門産昆布、土佐産昆布などの四国産も良い選択です。
- 利尻昆布
- 羅臼昆布
旨味が強く、風味も豊かです。出汁の色が比較的薄く、澄んでいて、上品な味わいが特徴です。
旨味はグルタミン酸やイノシン酸といったアミノ酸が主な成分で、利尻昆布は他の昆布と比べグルタミン酸を豊富に含み、このグルタミン酸が、私たちの舌の旨味を刺激し、濃厚で奥深い味わいを作り出します。
利尻昆布で取った出汁は、料理の素材本来の味を引き立て、より美味しく仕上げることができます。
旨味が濃厚で、コクがあり、他の昆布と比べて、海藻特有の磯の香りが強いのが羅臼昆布です。
より自然な海の風味を感じることができますが、磯の香りは、人によって「クセがある」と強く感じるかもしれません。
市販の出汁
かにしゃぶの出汁づくりに時短を求める場合は、「ほんだし」や「白だし」を使用してください。
ただし、「ほんだし」「白だし」の濃い味付けは蟹の甘みを打ち消す原因になります。
かにしゃぶは繊細な風味を楽しむ料理なので、昆布の風味が強すぎるものは不向きです。蟹の味を引き立てるために薄めに調整するのがポイントです。
かにしゃぶの鰹出汁について
カニ専門店では、かにしゃぶの出汁に鰹節を使用することはまずありません(かにしゃぶ以外の鍋には使用します)。
鰹は旨味と香りが強く、かにしゃぶは、蟹の旨味を損なうためです。
蟹の旨味を重視したい方には、鰹節を使わない方がおすすめですが、シンプルな出汁に飽きてしまった時は、鰹節を加えることで出汁に深みを出せ、変化をつけられます。
かにしゃぶの出汁に塩を使う?
かにしゃぶの出汁に塩は使いません。
蟹の旨味を引き出し、蟹本来の味を楽しむためです。
塩を加えることで、蟹に元々ある繊細な旨味が隠れていまいます。野菜類からも旨味(出汁)が出るので、塩を加えると塩辛くなり、他の食材の旨味とのバランスも崩れてしまいます。
かにしゃぶの具材
野菜:白菜、春菊、えのき、椎茸、長ネギ、水菜、しめじ
肉:鶏むね肉(薄切り)、豚ロース薄切り肉(しゃぶしゃぶ用)、合挽き肉(鶏肉や豚肉と合わせた合挽き肉をつみれ)
その他:豆腐(10等分)、くずきり、薄い餅など
色々な組み合わせを試して、自分好みのかにしゃぶを見つけてください。
切り方のポイント
①野菜や豆腐は大きさを均一に切り、均等に火が通るようにします。
②鶏肉は薄切りにして、臭みを取るために軽く塩水で下処理を行いキッチンペーパーでしっかり拭き取るといいでしょう。
かにしゃぶのタレの種類
かにしゃぶのタレも色々あります。色々試して、美味しいかにしゃぶにしてください。
蟹酢
蟹専用のタレで、甘酢ベースに生姜や柚子などの風味を加えたものが一般的です。蟹の旨味を凝縮させ、より深い味わいを楽しめます。
おすすめ蟹酢
内堀醸造 蟹酢 | |
かに酢 三杯酢【しょうゆの花房】 | |
蟹取県の塩ぽん酢 |
ポン酢
酸味と柑橘系の香りが特徴で、蟹の生臭みを消し、さっぱりとした味わいを引き立てます。
市販のポン酢ですと、おすすめは「旭ポン酢」など、柑橘系の酸味が強いもの。
旭ポン酢 |
市販のポン酢は、だしの風味や酸味、甘みのバランスが計算されており、蟹の繊細な味を引き立てるように作られています。特に、柑橘系の酸味(例:ゆずやレモン)と、醤油やみりんのコクのバランスが絶妙です。かにしゃぶの風味を引き立てるために、すでにそのバランスが整っているため、簡単に美味しく仕上げられます。
ごまだれ
白ごまペースト大さじ2に醤油小さじ2、砂糖小さじ1、酢小さじ1を加えて混ぜます。
ねりごまをベースにした濃厚なタレで、蟹の風味をまろやかに包み込みます。
梅タレ
叩いた梅干しをだし醤油とみりんで伸ばします。
爽やかな酸味を楽しむタレに。
柚子胡椒だれ
ポン酢に柚子胡椒を加えます。
醤油
蟹の旨味を引き出す定番の調味料です。
- 刺身醤油
- 薄口醤油
- 濃口醤油
蟹の生食にも合うように塩分が控えめで、蟹の旨味を引き立てるため、甘みがある醤油が選ばれることが多いです。特にかにしゃぶの場合、素材の甘さを最大限に生かすため、刺身醤油のようなまろやかな味わいのものを推奨することがあります。
素材の味(蟹の旨味)を引き出すことができます。上品な味わいで、蟹本来の甘みを堪能できます。
薄口醬油に比べて味が濃いため、少しだけ加えて風味付けをすることをおすすめします。
何もつけない(タレなし)
何もつけずに、蟹本来の味を楽しむのもおすすめです。
蟹の甘みや旨味をダイレクトに味わうことができます。
美味しいかにしゃぶの作り方とポイント
①出汁の分量(4人前):水2リットル、昆布20g、白菜1/4玉、えのき1袋、鶏肉300g、蟹500g
②出汁の準備:昆布だしを用意し、鍋に火をかけます。
③具材を順に入れる:火の通りにくい野菜(白菜の芯、きのこ類など)から鍋に入れます。
④蟹をしゃぶしゃぶ:他の具材に大体火が通り、出汁が沸騰している状態で、蟹の脚を5~10秒間出汁に潜らせ、透明感が消えて白く変わったら引き上げます。
⑤水菜や春菊など葉物野菜は、最後にさっとしゃぶしゃぶして食べます。
かにしゃぶの副菜、サイドメニュー
- 茶碗蒸し
- 酢の物(カニ酢やもずく酢)
- ご飯もの(いくら丼や蟹雑炊)
- ほうれん草のごまあえ
- 野菜の天ぷら
かにしゃぶを美味しく食べるポイント
①しゃぶしゃぶのしすぎに注意
蟹をしゃぶしゃぶし過ぎると、蟹がバサバサしたり、旨味が逃げたり、味と食感が失われます。火の通りを見極めるポイントは蟹の透明~少し白っぽい色です。しゃぶしゃぶの時間は、5秒から10秒程度です。
②締めの雑炊やうどんで最後まで楽しむ。
③蟹味噌を使うとさらに濃厚な味わいに。
締めの楽しみ方
かにしゃぶの最後は、出汁を活かした「蟹雑炊」や「うどん」で締めましょう。
①蟹雑炊:ご飯と溶き卵を入れ、カニ味噌と海苔、刻みネギを添えます。
②うどん:うどんを入れ、煮込むだけで簡単に美味しい締め料理が完成します。
③中華麺:醤油やごま油を少量加えることでラーメン風に仕上がります。
家庭で作るかにカニしゃぶを、ぜひ楽しんでください。
かにしゃぶの出汁を水だけでとった場合、本格的な雑炊やうどん、中華麺で〆を作るのは難しいです。その場合は、市販のだしの素・醤油・みりん・塩などの調味料で調整をすることで美味しく召し上がれます。
かにしゃぶの出汁を昆布出汁、鰹出汁どちらにしても雑炊やうどん、中華麺の美味しさは同じ?
昆布出汁、鰹出汁によって全く異なる味わいとなります。
昆布出汁
•雑炊:昆布の旨味がご飯に染み込み、とろみがあり口当たりもなめらかです。
•うどん:昆布の旨味が麺に絡み、つゆの色は薄めで、あっさりです。
•中華麺:昆布の旨味が麺の風味を引き立て、スープにとろみがあり、麺との一体感が生まれます。
鰹出汁
•雑炊:鰹の風味がご飯にしっかりと染み込み、食欲をそそります。
•うどん:鰹の香りが際立ち、つゆの色は濃いめで、しっかりとした味です。
•中華麺:の風味が麺の風味を引き立て、スープにコク(深み)があり、食欲をそそります。